このブログの読者さんから質問を頂きました。
質問者さんは、法学部で司法試験を目指しながら、麻取部の受験も視野に入れているとのことです。
質問事項
麻薬取締官として採用され
職務内容の特殊性から、漠然と体育会的なイメージを持つのが自然
実際のところどうなのか、教えていただけたら幸いです。
この様な質問を頂きましたので、お答えしますね。
マトリの雰囲気について
今回は、マトリは「雰囲気がどのようなものか」という質問です。
「雰囲気」について、「仕事へ取り組むときのチームの姿勢」と解釈してお答えしますね。
(ニュアンスが違ったらごめんなさい)
麻薬取締部の中でもメインの仕事である「捜査」の仕事で説明します。
まず、マトリ部では、「捜査第一課」、「捜査第二課」という、「課」が存在します。
基本的にこの「課」単位で仕事をします。
そして、一つの「課」の人数は、課長を入れて、6〜8人位です。
一つのチームの年齢構成は、ざっくり
課長 50歳前後 1人
課長補佐 40歳前後 1人
係長級 35歳前後 2〜3人
係員 2〜3人
といった構成です。
マトリは、階級制はとっていませんが、公務員ですので、ある程度「年功序列」で役職が決まっています。
この人数のチームで仕事をするので、自分が所属するチームの「雰囲気(仕事への姿勢)」が1番大切になってきます。
捜査の仕事は、チーム内で共通の目的があります。
それは、「犯人を逮捕すること」です。
この共通目的があることは大きいです。
犯人を逮捕するために、「長時間張り込みを頑張る」、「なんとしても犯人の薬物保管庫を割り出す」と士気が上がるんです。
また、チームの人数も少ないので、役職が下の捜査員も自分の意見が言いやすいですし、いいアイディアであれば、捜査に反映されます。
(警察では、巡査はなかなか自分の意見が言えないかもしれません)
だから、入ったばかりの新人でも、「自分で考えること」を求められます。
人数が少ないので、「指示待ち」では、仕事が回らなくなってしまうんです。
そして、「みんなで考えて意見を言いながら、犯人の逮捕に向けて仕事をする」というのが、マトリの仕事の雰囲気というのかなと思います。
「自分で考え試行錯誤しながら行動する」というように主体的に仕事をすると仕事が面白くなってきます。
「受け身」では、仕事はつまらないと思います。
※チームの中に性格に難がある人がいる場合、雰囲気が悪くなることがあります。
でも、これはマトリに限らず、チームで仕事をしていれば、どの会社もあることだと思います。
上下関係
マトリは、ひと昔前より上下関係は厳しくなくなりました。
ただ、現場によっては、先輩から厳しく指導されることもあります。
なぜなら、
「自分の命を守るため」
「仲間の命を守るため」
「犯人の命を守るため」
「犯人に逃げられないため」
に必要だからです。
捜査現場では、犯人も必死なので、彼らは「捜査員に抵抗してでも逃げよう」「どうせ捕まるなら自殺してやる」と考えます。
こんな時に、捜査員が油断していると、重大事故事故が起こりかねません。
だから、先輩の後輩に対する指導も厳しくなってしまうんです。
ただ、体育会系のクラブのように、日頃から「後輩は先輩に絶対服従」みないなノリはありませんよ。
仕事終わり
ひと昔前は、仕事終わりには、毎日のようにチームで飲みに行くということが珍しくありませんでした。
ですが、今は、そんなことはほとんどないと思います。
犯人を逮捕した時など、節目で飲み会がある程度です。
検事と関係
質問者さんは、司法試験を目指しているとのことだったので、最後に検事との関係について少しだけ触れます。
警察やマトリが逮捕した犯人は、検察官に送検されて、検察官が起訴するかしないかを判断します。
検事は、どの法令を適用するか?起訴できるか?起訴したとしたら公判維持はできるか?ということを考えます。
そして、補充捜査をマトリや警察に依頼します。
なので、検事が現場に行って、張り込みをしたり、捜索を行うことはほとんどありません。
現場での仕事をするマトリや警察の方が大変と思うかもしれませんが、そこは役割分担ですので、そういうものなんです。
ただ、捜査現場ならではの「緊張感」や犯人を逮捕した時の「達成感」を味わえるのは、捜査員の醍醐味です。
まとめ
以上、私なりに質問にお答えしました。
1人の方が疑問に思っていることは、他の方も疑問に思っているはずなので、回答を公開させたもらいました。
質問者さんにはご理解頂ければありがたいです。