麻取の仕事

麻薬取締官と警察官の違いを解説

麻薬取締官と警察官って何が違うんだろう

この記事ではこんな疑問を解決します。

麻薬取締官と警察官の違いは「身分」と「権限」です。

麻薬取締官は厚生労働省の職員【国家公務員】

警察官は都道府県の職員【地方公務員】です。

そして、麻薬取締官の捜査権限は、覚醒剤、大麻等の薬物関係だけです。

警察官は、薬物だけでなく、殺人や詐欺、泥棒の捜査ができます。

つまり、麻薬取締官は薬物事件においては警察官と同じ権限を持っていて、もちろん犯人を逮捕して取調べも行います。

麻薬取締官と警察官は何が違うか

それでは、細かな違いについて解説していきます。

捜査における違い

麻薬取締官は、薬物事件についてだけ、捜査権限が与えられています。

なので、殺人や泥棒の捜査はできません。

薬物事件については、麻薬取締官も警察官もやることは一緒です。

犯人の家に家宅捜索に行き、違法薬物を発見すれば現行犯逮捕し、犯人の取り調べを行います。

警棒や手錠も持っていきますし、必要があれば拳銃も持って行きます。

階級の有無

警察官には階級があります。

巡査→巡査部長→警部補→警部…

と昇進していきます。

一方、麻薬取締官には階級はありませんが、役職があります。

係員→係長→課長補佐→課長…

こんな感じで昇進していきます。

制服はあるの?

皆さんご存知のとおり、警察官には制服があります。

一方、麻薬取締官には制服はありません。

なので、勤務は「スーツ」か「私服」のどちらかです。

税関や海上保安庁も制服があるので、制服がない機関は珍しいかもしれません。

パトカーはある?

麻薬取締官はパトカーは使いません。

正確には使えません。

覆面車両に赤灯付けて、ウーと緊急走行することもできません。

犯人を逮捕した時は、警察の覆面車両のように、屋根に赤灯を乗せて緊急走行したいですが、こればっかりは仕方ありません。

手帳(身分証)

警察官は警察手帳を持っています。

よく刑事ドラマでみるやつです。

こんな感じのやつです。

(画像は宮城県警察のホームページより引用)

 

麻薬取締官も手帳(身分証)があります。

 

 

 

 

 

 

 

(画像は厚労省ホームページより引用)

警察手帳と似ていますが、よく見るとエンブレムの形が違います。

豆知識としては、麻薬取締官の手帳の色は「黒色」で、警察官の手帳は「茶色」です。

また、麻薬取締官の手帳の方が一回り大きいです。

勤務体制

警察署に勤務する警察官は、交代で宿直勤務をします。

夜中に発生した事件に対応するためです。

警察署は年中無休ですので、勤務スケジュールによっては土日の勤務もあります。

一方、麻薬取締官は、宿直勤務は取っていません。

ただ、公務員だからと言って9時-5時で仕事が終わるかと言えば、そうではありません。

薬物取締りの仕事は、当然、「相手」がいる仕事です。

なので、相手に合わせて仕事をしなくてなならない訳です。

密売人は夜から密売を始めることが多いです。

この密売人の内偵(行動確認捜査など)をするには、夜の時間帯の勤務が必要になってきます。

また、24時間体制で、相手の行動を確認する場合、当然、夜中の勤務も必要になります。

このように、宿直勤務はとっていませんが、必要があれば、夜中も仕事をすることになります。

相手に合わせて仕事をするので、勤務も不規則になりがちです。

捕まえた犯人の留置場所

警察官が犯人を逮捕すると、警察署の留置場に留置(勾留)され、取り調べを受けたりします。

麻薬取締部は、自前の留置場を持っていません。

基本的に麻薬取締官が逮捕した犯人は、「拘置所」に勾留されます。

大阪に事務所がある近畿厚生局麻薬取締部に所属する麻薬取締官が逮捕した犯人は「大阪拘置所」に勾留されます。

ただ、東京に事務所がある関東信越厚生局麻薬取締部に所属する麻薬取締官が逮捕した犯人は、警視庁の留置場を借りて、勾留しています。

麻薬取締官も警察官も目的は同じ

 

 

麻薬取締官と警察官の仕事の違いについて説明しました。

確かに、細かな違いはありますが、麻薬取締官も警察官も目的は同じです。

それは、「悪い奴を捕まえること」です。

そして、「地域住民が安心して暮らせる社会を作ること」、「薬物で困っている人を1人でも多く助けること」です。

その誇りや使命感が、日夜、仕事に励む原動力になっているんです。

 

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